調査日記 失敗編2

 上の「地方志」収集もたいへんだったが、雑誌や大学の紀要の論文収集もたいへんだった。
時には本校の図書館ではなく、時間が差し迫る中、遠くの分館まで行かないといけない時も。・・・・・・中国広いんで移動だけでもえらい時間のロスである。


 余談だけど、この雑誌のバックナンバー、書棚に置かれてから今まで一度も開かれたことがないのが多く、カビやホコリがひどい。そういう雑誌を調べた後は決まって夜や次の日にくしゃみが止まらなくなって苦しんだ・・・・・・(なので、雑誌調べる時はマスク常備になった)。

 本当は後回しの文献資料でも「文史資料」シリーズ*1は「内部資料」という点に魅かれ確認しておきたかったが、数冊読んだところで時間切れとなった。この本も日本に所蔵はあるが、各巻の収録内容は現物を確認しない限りわからないので相互貸借で取り寄せてもらうこともできず、いつか上京した際にでも東京の所蔵がある図書館にこもって読まなければならない。


 さて、大学図書館の利用期限が終わってしまった後、帰国までの残り三日、今度は制限のない市民図書館で、日本にないけど市民図書館で確認できるんだから、と大学図書館では後回し*2にしていた資料をゲットしに。

 と、そこで読みたい論文が載っていたけど大学図書館にはなかった雑誌を偶然見つけた。慌てて、書庫の職員にバックナンバーをお願いする。
 すると職員は、パソコンを操作し始め、私が欲しかった論文をプリントアウトしてくれた。
 職員がアクセスしたのは、中国の雑誌上に発表された論文をすべて電子化し全文を有料で提供しているサイト*3
 確かに私がかつて学んだ大学でも、主に欧米の学術雑誌に掲載された論文を電子化したサイトと契約し、教授や学生が利用できるようにしてはいた。しかし同じサービスが市民図書館でも受けられるとは・・・・・・。


 ・・・・・・や、待て。ここですべての論文がいながらにして手に入るとしたら・・・・・・あのくしゃみ地獄に陥りながら、雑誌論文を探し続けた時間はいったい・・・・・・あの時間があればもっと「地方志」にも「文史史料」にも当たれたよ?


 いやいや、それでも雑誌現物に当たれたことは、検索で見つけた論文以外にも興味深い論文も見つけられたし、何より抗日戦争に関する論文を20本も30本も図書館職員にお願いするのはやっぱり精神的ハードルが・・・・・・。

 うん、だから自力で探したのは無駄ではない、と自己納得し、ともかくその日は未発見論文のリストを所持していなかったので、次の日また来ることに。

 しかし、そこでまたしても驚愕な事実が!

*1:近現代史の事件などに関する関係者の回想録や研究が乗っている本。一冊一冊は薄いが、各地方ごとに何十冊もある。しかし各巻の収録内容はかなりランダムで年代ごとにまとまっていない

*2:こうやっていろんなことを後回しにし、最後は収集がつかなくなるんだよな

*3:もちろん著作権料などをクリアした合法データベースサイトです