資料の取り扱いについて


 当分ひたすら資料を読み、それをまとめていくことになりますが、いかんせん私はまともに「歴史研究」の方法を学んだことがない…・・・。
 したがって歴史学における「史料評価」というのが、どういうものなのよくわかりません。
 一度、大学に戻り「歴史学の方法」なるものを勉強したいのですが・・・…。

 そういうわけで、先にも書きました通りここでの研究はまったくのアマチュア研究で、「史料評価」もまったくの素人判断で行うこととなると思います。
 しかしなるべく客観性が保っているよう素人なりに努力はしてみようとかと・・・・・・


 以下、各種資料に対する私の基本的な方針について


1、日本語資料


・できるだけ網羅的に収集する。
・中国人やその他の国の人が書いたものも、日本で翻訳出版されたものは日本語資料として扱う。
・単行本は、史料集,専門的な研究書,一般向け本,体験談など使えそうなものはとりあえず何でも読む。
・歴史の本以外にも、けっこう八路軍の話しは転がっているのでそれも収集する
・大学の研究論文も網羅的に収集する。
・古い資料だからといって排除しない。いわゆる文革期の「中国礼賛本」の情報も、評価に値するものは使用する。(何かとバカにされ、今では『中共の正史によりそった』として批判の対象となる文革期の「中国現代史研究」だが、実はそのような認識が『常識』となった現在では逆に見えなくなってしまうおもしろく興味深い情報もあったりするのだ)



2、中国語(大陸)資料


 中国では現在の政権と密接に関わることでもあるので、八路軍関係の本は多く出版されており、網羅的に収集することは不可能である。また特に一般向けの書籍では、都合の悪いことは隠蔽されたり、一方で成果は誇大に書かれている場合もあり、日本語資料以上に注意が必要である。
 しかし本場であるため、その情報量は圧倒的であり、またかゆいところに手が届くような細かい研究も多い。これを使わない手はない。
 端から疑ってかかるのも偏見であり、内容については十分注意しつつ積極的に活用していく。

・基本的事項を理解するため、一定のめどをつけつつ一般向け資料をまず収集する。
八路軍に携わった人々の回想録も内容を検討しつつ使用する。
・一般向け資料の整理がある程度進んだら、研究論文や原典資料なども順次あつめていく。


3、中国語(台湾・香港)資料 

 
 実は私は、台湾・香港で出版される資料の状況や収集方法について明るくなく、どうやって集めるべきか模索中である。
 聞くところによると、台湾では中国共産党と敵対する国民党が、収集していた共産党の機密資料を公開し、日本を含めた研究者達の多くがそれを使って「新事実」を「発見」している。また台湾や香港では当然、共産党に批判的な言説が多く、大陸では決して出回らないような情報も多く、上の機密資料も大いに利用すべきである。
 しかしその一方で、大陸の情報だから信用できず、台湾・香港の情報だから信用できるという態度は問題だと思う。大陸の情報が現政権の正当化のために恣意的政治的なら、対立する側の情報もその正当性を否定するため同じくらい恣意的政治的である可能性がある。情報の発信源は、その情報の信憑性を検討する参考にはなるし、参考にすべきである。だが、結局検討し信憑性を判断するのは、述べられている個々の内容それ自体に対してであって、情報源によって条件反射的に「仕分け」するのはいいこととは言えない。


・とりあえず、台湾・香港で行われている研究内容を掴み、資料の収集方法を模索する。
・そのため当面は、一般的向けの書籍を中心に検討する
・上の中共機密資料を用いた研究本を積極的に収集する


4、その他の国の文献


 ・・・・・・すいません、英語読めません。でもなるべく英語文献でよさげなものがあったら、利用します。

・1〜3の参考文献を手がかりに英語で書かれた資料と研究状況を把握する。


5、フィクション


 小説などのフィクションに書かれたことは、本来歴史研究の資料に使えない。
 しかし、実際に八路軍兵士として過ごした経験をもとにした小説にはみるべき点が多いし、また中国で作られた抗日ドラマに描かれた日中戦争当時の農村の民俗、八路軍が活躍した地域の自然などのビジュアルは、日本人にとってなかなか文章ではわかりづらいもののイメージがつけやすい。
 加えて、八路軍がどのようなイメージ中国人の間で語られてきたのか把握するのにも役立つ。


・小説は、元八路軍関係者によって書かれ、日本語で出版されたものを中心にする
・ドラマ・映画は、中国でつくられた時代考証のしっかりしたものを中心とする
・基本的にはブログと私の息抜きとして使用。



 だいたいこんな感じか? まあ、私にどこまで資料評価できるか不明だけど、だいたいこんな感じでやっていきます。